STAFF BLOG
スタッフブログ
公開日: 更新日:
By デジタルサイネージディレクター:t.takita Posted

【完全保存版】デジタルサイネージ3種類の選び方|10万円台から始める導入ガイド

デジタルサイネージの導入を検討しているものの、「どのタイプを選べばいいのかわからない」「費用はどのくらいかかるのか」と迷っていませんか?

デジタルサイネージには運用方法がいくつかあり大きく分けて3種類に分かれますが、間違った選択をすると予算オーバーや運用の手間で失敗してしまうケースが少なくありません。

この記事では、デジタルサイネージの3つのタイプについて、配信のしくみやおすすめのロケーション、具体的な費用相場まで、導入検討に必要な情報をすべてお伝えします。10万円台から始められるタイプもあるので、小規模店舗でも導入しやすい選択肢を見つけられるでしょう。

 

デジタルサイネージとは?基本知識

デジタルサイネージとは、ディスプレイに表示する形式の広告媒体です*¹。従来の紙のポスターや看板と違い、動画や画像を自在に切り替えて表示できるため、より効果的な情報発信が可能になります。

従来看板との違い

紙の看板・ポスター

  • 一度設置すると内容変更に印刷・貼り替え作業が必要
  • 静止画のみ
  • 夜間や暗い場所では視認性が低下

デジタルサイネージ

  • コンテンツ更新が即座に可能
  • 動画・音声・アニメーションで注目を集めやすい
  • LED技術により夜間でも高い視認性を確保*²

デジタルサイネージを導入することで、コンテンツの更新にかかる時間と人的コストを大幅に削減し、タイムセール情報やイベント告知なども瞬時に配信できるようになります。

 

【配信方式別】デジタルサイネージの3つの基本タイプ

スタンドアロンタイプ

仕組みと特徴

スタンドアロンタイプとはインターネットへの接続が必要なく、USBメモリなどに配信コンテンツを格納し、サイネージ運用を行っているデジタルサイネージの事です。ディスプレイ・モニター一体型の場合もありますし、別々に組み合わせている場合もあります。そのほかに、壁掛けや天吊りのデジタルサイネージをUSBなどで運用している場合もあります。

配信のしくみ

メディアプレイヤー機能を持ったディスプレイ・モニターと、配信コンテンツを格納したUSBメモリなどが必要になります。

  1. 配信したいコンテンツを制作し、USBメモリなどに格納します
  2. USBメモリなどディスプレイ・モニターに接続する
  3. USBメモリなどに格納された配信コンテンツがループ再生される

上記だけで配信ができるとてもシンプルなしくみです。

メリット・デメリット

メリット
  • ランニングコストがかからない
  • 工事などが必要なくすぐに始められる
  • 更新もUSBの抜き差しだけ

初心者の方や小規模でのサイネージ運用に向いています。

デメリット
  • コンテンツ更新の際に設置場所まで行って更新しなければならない
  • 設置場所までの距離がある場合など、急なコンテンツ更新などができない
  • 動画と静止画を同時に放映することができない場合が多い*¹,³

導入費用:10万円〜30万円

スタンドアロン型は最も導入しやすい価格帯が魅力です。基本的なディスプレイとメディアプレイヤー機能を組み合わせた構成であれば、10万円程度からスタートできます。ただし、設置環境に応じて必要な機能が変わるため、屋内用の標準モデルと比較して、屋外設置に対応した耐候性の高いモデルは価格が上昇する傾向があります*¹。

推奨業界・シーン

飲食店やアパレルや雑貨屋、またショッピングモール内などの小規模店舗での使用におすすめです。タイムセール情報などその場で決めて配信コンテンツまで制作すれば即配信することが可能です。

導入時の注意点

  • ディスプレイの機能によって放映できるコンテンツに制限がある*³
  • 基本的にはスライドショーのみ、もしくはフルスクリーンコンテンツのみでの運用となる*³
  • 複数台運用する場合は、各台ごとの手動更新が必要

 

ネットワークタイプ

クラウド型とローカル型の仕組み

ネットワークタイプのデジタルサイネージには、「ローカルネットワークタイプ」と「クラウドタイプ」の2種類があります。

ローカルネットワークタイプ: 会社や学校などのその建物専用のネットワークを使用してデジタルサイネージを稼働させるのが特徴となります。

クラウドタイプ: パソコンやスマートフォンでクラウドサーバーにアクセスし、デジタルサイネージ端末を管理することができます。配信コンテンツを登録し細かいスケジュール設定をして配信することもできるため、中〜大規模デジタルサイネージ運用に向いているのが特徴です。

配信のしくみ

ローカルネットワーク型: サイネージディスプレイ・モニターとSTB、そして管理用のPCが必要となります。
  1. 配信したいコンテンツを制作する
  2. 管理PC からローカルネットワークへアクセスする
  3. 配信コンテンツをアップロードし番組を作成する
  4. クラウド上でスケジュール配信の設定を行います
  5. ローカルネットワークを通じて各サイネージ端末へ配信される
クラウド型: サイネージディスプレイ・モニターとSTB、そしてネットワーク環境も必要になります。中にはSTBが不要なタイプもあります。
  1. 配信したいコンテンツを制作する
  2. インターネットブラウザでクラウドサーバーへアクセスする
  3. 配信コンテンツをアップロードし番組を作成する
  4. クラウド上でスケジュール配信の設定を行います
  5. 各デジタルサイネージ端末がスケジュール設定通りに放映を開始します

メリット・デメリット

ローカルネットワーク型のメリット
  • 外部ネットワークへアクセスしないため情報漏れの心配がなくセキュリティ面で安心
  • 外部ネットワークへアクセスしないのでスピーディーな配信が可能
ローカルネットワーク型のデメリット
  • 外部からアクセスできないため障害時などがあると復旧に時間がかかってしまう
クラウド型のメリット
  • 細かいスケジュール設定が可能
  • 時間別、日別や月別など一つのデジタルサイネージ端末内でも細かく設定できる
  • 設置場所を考慮したコンテンツ配信が可能
  • 多数の端末を一括管理でき、スケジュール設定も細かく設定できるので大規模サイネージ運用時に効果を発揮*⁴
クラウド型のデメリット
  • スタンドアローンと違って月々のランニングコストが発生する

導入費用:20万円〜 + 月額3,000円〜10,000円

ネットワーク型の初期投資は、ディスプレイ本体に加えて通信機能やコンテンツ管理システムが必要になるため、20万円程度を見込んでおく必要があります。さらに、専門的な設置工事や配線工事が伴う場合には、大規模なプロジェクトでは数百万円規模の投資となるケースもあります*¹。

運用面では、システム利用料や通信費として月額コストが発生します。一般的には1台につき月額3,000円から10,000円程度の範囲で、利用する機能やサービスレベルによって変動します*¹。

推奨業界・シーン

ローカルネットワーク型: オフィスやホテル・学校など、情報漏洩が心配される設置ロケーションにおすすめです。

クラウド型: 中〜大規模で店舗展開している企業や工場内サイネージ、オフィス内サイネージなどにおすすめです。

セキュリティ考慮事項

  • ローカルネットワーク型:社内ネットワークのセキュリティレベルに依存
  • クラウド型:インターネット経由のため、データ暗号化や認証機能が重要

 

インタラクティブ型

タッチパネル・双方向機能

インタラクティブ型は、従来の一方向的な情報配信を超えて、利用者との対話機能を備えたデジタルサイネージです。タッチスクリーンやモーションセンサーなどの技術により、利用者が画面に触れたり操作したりすることで、求める情報に直接アクセスできる仕組みになっています。これにより、単なる情報表示ではなく、利用者参加型のマーケティング体験を創出することが可能です。

このタイプは特に、多くの人が集まる商業施設や観光スポットでの活用が進んでおり、来場者の関心を引きつけながら効果的な情報提供を実現しています*⁴。

メリット・デメリット

メリット
  • 利用者が興味のある情報を選択して閲覧できるため、視認度や満足度が高い*¹
  • 多言語表記や音声案内をはじめ、多様な機能を搭載しやすい*¹
  • 顔認識や画像認識などAIやARの技術と連動して双方向のコンテンツを表示させることも可能*⁴
  • ユーザーのエンゲージメントを高め、よりパーソナライズされた体験を提供*²

デメリット

  • 高機能である反面、初期費用や維持費が割高になる*¹
  • イニシャルコストが高額になる*⁴
  • 運用、保守費用もかかる*⁴

導入費用:50万円〜

インタラクティブ型の導入には、高度なタッチパネル技術と処理能力を備えたディスプレイが必要となるため、機器費用だけで50万円を超える投資が一般的です*¹。これに加えて、設置環境に応じた工事や調整作業が必要となり、ネットワーク型と同程度の設置コストを見込んでおく必要があります*¹。

また、インタラクティブ機能を動作させるための専用端末の選択も重要なポイントです。基本的な操作に対応した標準モデルであれば1万円程度から選択可能ですが、複雑なアプリケーションや高解像度コンテンツに対応する高性能モデルでは10万円程度の予算が必要になります*¹。

推奨業界・シーン

インタラクティブ型デジタルサイネージの多くは、大型商業施設や観光地に設置されています。また、企業の展示ブースや文化施設、学校などの教育現場においても導入が拡大しており、来場者や利用者が主体的に情報を探索し、個々のニーズに合わせたコンテンツを体験できる環境を提供しています*²。

ROI最大化のポイント
  • ユーザーの操作データを分析し、人気コンテンツを把握
  • 時間帯や利用者属性に応じたコンテンツの最適化
  • 他のマーケティングツールとの連携による相乗効果の創出

 

【設置環境別】失敗しない選び方

屋内設置

輝度・サイズの選び方

屋内設置では、一般的に300〜500cd/㎡程度の輝度で十分です。サイズは設置場所の天井高や視聴距離を考慮し、32〜55インチが多く選ばれています。

電源・ネットワーク要件

  • 電源:AC100V、消費電力は画面サイズにより100W〜300W程度
  • ネットワーク:有線LAN推奨、Wi-Fi環境でも可能(通信安定性を要確認)

おすすめタイプ

  • 小規模店舗:スタンドアロン型
  • 複数店舗・オフィス:クラウド型ネットワーク
  • 顧客との接点強化:インタラクティブ型

屋外設置

防水・防塵・耐久性

屋外用は防水・防塵機能がついているものは他製品よりも高めに設定されています*¹。IP65以上の防水防塵性能と、直射日光下でも視認可能な1,500cd/㎡以上の高輝度が必要です。

法規制・許可申請

屋外広告物条例により、設置場所や大きさに制限がある場合があります。事前に自治体への確認と許可申請が必要です。

コスト増加要因

  • 高輝度ディスプレイによる機器代の増加
  • 防水工事や基礎工事費用
  • 定期的なメンテナンス費用

用途別の最適解

広告・販促用途

  • 目的:売上向上、ブランド認知
  • 推奨:スタンドアロン型(小規模)、クラウド型(多店舗)
  • ポイント:コンテンツ更新頻度と管理体制を重視

案内・情報提供用途

  • 目的:利便性向上、問い合わせ削減
  • 推奨:インタラクティブ型、クラウド型
  • ポイント:多言語対応や音声案内機能

エンターテイメント用途

  • 目的:顧客体験向上、滞在時間延長
  • 推奨:インタラクティブ型
  • ポイント:顔認識やAR機能との連携

 

業界別成功事例と導入効果

小売・店舗

推奨タイプ: スタンドアロン型(単店舗)、クラウド型(チェーン店)

導入効果: 店内に設置されたディスプレイで、現行のプロモーションや新製品の紹介をリアルタイムで顧客に伝えることが可能²。無音で流れる広告映像や商品デモンストレーション、クーポンコードを提供することで、購買の決定を促すことができます²。

飲食店

推奨タイプ: スタンドアロン型、クラウド型(メニューボード)

導入効果: デジタルメニューボードとして、季節のメニューや本日のおすすめ料理を素早く切り替えて表示²。時間帯に合わせてモーニングセット、ランチ、ディナーとメニューを自動で切り替える機能により、手動での更新作業が不要になります²。

オフィス・企業

推奨タイプ: ローカルネットワーク型(セキュリティ重視)、クラウド型

導入効果: 社内コミュニケーションの改善により、重要な情報の伝達漏れを防止。会議室の利用状況や緊急連絡も即座に全社員に共有可能。セキュリティ要件の高い企業ではローカルネットワーク型が選ばれています。

公共施設

推奨タイプ: インタラクティブ型、クラウド型

導入効果: 公共交通や各種施設における情報案内システムとして幅広く活用されています*²。鉄道の運行状況やバスの到着時刻、航空便の発着情報など、刻々と変化する情報をリアルタイムで配信することで、利用者の待ち時間や移動計画をサポートしています。また、タッチ操作に対応した案内端末では、利用者が必要とする特定の情報を自ら検索・取得できるセルフサービス機能により、案内業務の効率化も実現されています*²。

医療・教育

推奨タイプ: クラウド型、インタラクティブ型

導入効果: 医療機関では患者の待機時間を有効活用した情報発信ツールとして導入が進んでいます*²。医療スタッフの紹介映像や健康管理に関する啓発コンテンツを動画形式で配信することにより、患者の心理的負担の軽減や医療リテラシーの向上に貢献しています*²。教育分野においても、キャンパス内の施設案内や学事日程、課外活動の告知などを効率的に伝達する手段として活用され、従来の掲示板では難しかったタイムリーな情報更新が可能になっています*²。

 

費用相場と予算計画の立て方

タイプ別費用相場一覧

タイプ 初期費用 月額費用 主な構成
スタンドアロン型 10万円〜30万円 なし ディスプレイ、USBメモリ
ネットワーク型 20万円〜 3,000円〜10,000円 ディスプレイ、STB、システム利用料
インタラクティブ型 50万円〜 4,000円〜10,000円 タッチパネル、高機能端末、システム

隠れコストの把握

共通して発生する費用

  • 設置工事費:数万円〜数十万円(設置場所により変動)
  • コンテンツ制作費:自社制作なら無料、業者依頼で数万〜数十万円*¹
  • 電気代:月額数千円程度(画面サイズ・稼働時間による)

予算に応じた選択指針

10万円台で始める場合

スタンドアロン型の小型ディスプレイ(32インチ程度)を選択。コンテンツは自社でPowerPointなどを使用して制作し、運用コストを最小限に抑制。

50万円以上の本格導入

クラウド型ネットワークサイネージまたはインタラクティブ型を選択。複数拠点での一括管理や高度な顧客体験の提供が可能。

ROI計算の基本

  • 売上向上効果:来店客数増加率 × 平均客単価
  • コスト削減効果:印刷費削減 + 人件費削減(更新作業)
  • 投資回収期間:初期投資 ÷ 月間効果額

 

まとめ

デジタルサイネージの3つのタイプにはそれぞれ明確な特徴があります。

  • スタンドアロン型:10万円台から導入可能、小規模店舗に最適
  • ネットワーク型:遠隔管理で効率的、複数拠点運用に最適
  • インタラクティブ型:顧客エンゲージメント最大化、体験価値創出に最適

選択時の最重要ポイントは、導入目的の明確化運用体制の整備です。費用だけでなく、コンテンツ更新の頻度や管理できる人員体制を考慮して選択することが成功の鍵となります。

まずは小規模から始めて効果を実感し、段階的にスケールアップしていくアプローチがおすすめです。

 

株式会社共栄メディアのソリューション紹介

コンテンツを登録、あとはモニターに挿すだけの簡単楽々配信!!
Disit Media Player

配信システム Disit Media Player

スティックタイプSTBサイネージソリューションです。設置する場所にWifi環境があれば遠隔でのコンテンツ配信が可能になります。難しい操作はないので、専任担当を用意する必要もありません。

様々なディスプレイに対応!!
クラウド配信サイネージ システム『PORABO』

ソニーブラビアで運用すれば、4K高画質コンテンツの配信やTV入力の配信もできます。また屋内サイネージはもちろん、ブライトサインをSTBとして使用すれば屋外サイネージの配信も可能になるクラウド型のサイネージ配信システムです。

デジタルサイネージの導入は設置ロケーションに合わせたタイプを導入するのはもちろんの事、配信するコンテンツの運用についても考慮しながら選択することをおすすめします。

 

専門家によるサポートを活用しませんか?

私たちはデジタルサイネージの導入から運用体制構築まで、トータルでサポートしています。
「効果的な運用を始めたい」「現在の運用に課題を感じている」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。


参考文献

*¹ エリマケ!「デジタルサイネージの種類は主に3種類!その種類と概算費用を合わせてご紹介」(https://www.mapmarketing.co.jp/mm-blog/sales-promotion/dezitaru-sainezi-syurui/

*² インパクトフィールド「デジタルサイネージとは?種類やメリット、活用例をわかりやすく解説!」(https://field.impact-h.co.jp/knowledge/digitalsignage01

*³ デジタルサイネージをはじめよう「デジタルサイネージの種類」(https://start-digital-signage.info/type/

*⁴ Rabiloo「デジタルサイネージとは?仕組みや種類を簡単に解説!」(https://rabiloo.co.jp/blog/digital-signage-type

この記事を書いた人
デジタルサイネージディレクター:t.takita
映像制作のエキスパートでありながら、配信システムの提案からサイネージ機器の選定まで、サイネージディレクターとしても活動している。 サイネージ業界で培った経験をもとに魅せるコンテンツの提案からロケーションに合わせたサイネージの提案までを実績ベースにてゴールに導きます。

Disitのコンテンツ制作事例

STAFF BLOG

スタッフブログ

DISIT(ディジット)のスタッフが書くブログ。


NEWS

お知らせ

製品・サービスのプレスリリース、実績追加、イベント出展などのお知らせ。