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By デジタルサイネージディレクター:t.takita Posted

デジタルサイネージにおけるCMSって?導入メリットから選び方まで徹底解説!

デジタルサイネージの導入を検討する際、「CMS」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。CMSはデジタルサイネージ運用の核となる重要なシステムですが、その仕組みや具体的なメリットについて詳しく理解している方は意外と少ないかもしれません。

この記事では、デジタルサイネージCMSの基本概念から導入メリット、実際の活用例、そして最適なシステムの選び方まで、包括的に解説します。

 

 

CMSとは

CMSとは「Content Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略称で、Webサイトなどのデジタルコンテンツを簡単に作成、編集、管理、配信するためのソフトウェアシステムです*1

従来、Webページの作成や編集にはHTMLやCSSなどのコンピューター言語についての専門知識を習得する必要があり、多くの時間や労力がかかりました。しかし、CMSの導入により、Webについての専門知識がない人でも、情報の管理や更新が可能になりました*2

 

デジタルサイネージにおけるCMS

デジタルサイネージにおけるCMSは、配信するコンテンツの管理を行うことができるシステムです。動画や静止画などのコンテンツを一括で管理し、いつ、どのタイミングで、何秒間表示するのかなどを細かく設定することができます。また、複数拠点に配置しているデジタルサイネージに一括して同じタイミングで同じコンテンツを配信することも可能になります*3

デジタルサイネージシステムにおいて、CMSは単なる情報の提供にとどまらず、戦略的な運用を支える強力なツールとして位置付けられています*4。CMSがなければ、デジタルサイネージは単なる電子ディスプレイに過ぎません。CMSこそが、デジタルサイネージを戦略的な情報発信ツールへと変える「心臓部」なのです。

●具体的にどんなコンテンツがあるのか知りたい方はこちら

デジタルサイネージコンテンツの種類とその重要性

 

CMSの種類

オンプレミス型CMS

オンプレミス型CMSは、自社内にサーバーを設置して運用するタイプです。自社サーバーで運用するため専門知識を必要としますが、高いセキュリティレベルを確保でき、インターネット環境に依存しない安定した運用が可能です。カスタマイズの自由度が高く、長期的にはランニングコストを抑えられる場合もあります。しかし、高い初期投資が必要で、専門的な保守・運用体制を構築する必要があり、システム更新作業も複雑になるというデメリットがあります*5

クラウド型CMS

クラウド型CMSは、インターネット経由でサービスを利用するタイプです。社外のクラウドサーバーを使用するため、IT初心者でも運用しやすいという特徴があります。初期導入コストが低く抑えられ、自動アップデートにより常に最新機能を利用できることから、多くの企業で選択されています。また、世界中どこからでもアクセス可能で、複数拠点の一括管理が容易に行えるのも大きなメリットです。一方で、継続的な通信コストが発生し、インターネット環境に依存するため、通信が不安定な場合は正常に動作しない可能性があります*5

 

デジタルサイネージCMSを導入するメリット

運用コスト削減

デジタルサイネージCMSの最大のメリットは、運用コストの大幅削減です*2。従来の方法では、コンテンツの更新や変更の度に専門業者への依頼が必要でしたが、CMSの導入により社内での対応が可能になります。専門業者に依頼しなくても更新できるため費用を抑えることができ、好きなときに内容の更新ができるので、時間を有効に利用することも可能です。

具体的なコスト削減効果

・外注費用の削減
・時間コストの削減による機会損失の防止
・専門知識不要により既存スタッフで対応可能になることによる人件費の最適化

時期や時間に合わせた情報の提供

常に最新の情報に更新することが、広告において大切な要素になります*2。CMSではタイマー機能も備わっているため、事前に配信のスケジュールを用意しておくことで、季節にあった情報やタイムリーな情報を常に提供することが可能になります。

また、突発的なイベントやセールが発生した際には、即座にコンテンツを変更することで、視聴者に最新の情報を提供でき、売上機会の最大化や顧客満足度の向上、競合優位性の確保につながります*6

●サイネージにおけるコンテンツ更新の重要性についてはこちら

サイネージにおけるコンテンツ更新の重要性

一括管理が可能

CMSはブラウザを利用して複数のディスプレイを遠隔操作で一括管理でき、内容を更新する際もディスプレイを設置した現場に直接行く必要がありません*2

特に複数の店舗や施設を運営する企業にとって、一括管理機能は極めて有効です。運用工数の削減、情報の統一性確保によるブランドメッセージの一貫性維持、そして全体統一と地域特性の両立が可能になります*4

他社コンテンツの配信

CMSを利用することで、自社だけでなく他社の広告を配信することが可能です。多くの人が通る場所にデジタルサイネージを設置する場合は、その広告効果も高くなることが予想されます*2

CMSはニュースや天気予報、株価、為替などの他社コンテンツも組み込めるため、多くの人が関心を持ちやすい情報を一緒に流すことで、自社コンテンツも同時に見てもらいやすくなります*9

データ分析による運用最適化

多くのCMSには分析機能が搭載されており、コンテンツの効果測定や視聴者の行動分析が可能です。これにより、データドリブンな運用改善を実現できます。AIカメラやAI解析システムの連携によって、デジタルサイネージごとの視聴データの分析が可能になっています*6

 

デジタルサイネージCMSの活用例

小売業界での一括情報配信

各店舗の特売情報や新商品案内を、地域特性や在庫状況に応じてカスタマイズしながら配信することが可能です。例えば、CMSと在庫システムを連携させることで、リアルタイムでの特売情報配信を実現できます*⁷。また全国展開する小売店舗では、CMSを活用することで全店舗のコンテンツを本部で管理することができます*1

従来のポスター掲示では各店舗での作業が必要でしたが、CMSの導入により、本部からの一斉配信で全店舗の情報を瞬時に更新できるようになります。

教育機関でのキャンパス情報配信

教育機関では、キャンパス内の複数箇所に設置されたデジタルサイネージをCMSで一括管理し、効率的な情報配信を行うことができます。緊急時には災害時の避難指示や休講情報を即座に全画面に配信でき、平常時には学生向けのイベント情報や就職説明会の告知、留学生向けの多言語情報提供などを行うことも可能です*4

病院・クリニックでの待ち時間活用

医療機関では、待合室や各診療科のデジタルサイネージにCMSを導入することで、患者の待ち時間を有効活用できます*⁴。例えば、健康情報やリアルタイムでの待ち時間目安表示、病院からのお知らせや取り組みの紹介などに利用可能です。これにより、患者の不安軽減と満足度向上が期待できます。

●「MIZENクリニック」様の記事はこちら

「MIZENクリニック」様

飲食業界での動的メニュー管理

飲食店では、CMSを活用してメニューの動的管理を行えます。時間帯に応じたメニューの自動切り替え、おすすめメニューの配信なども可能です*8。また、ブランディング映像の放映により、料理のイメージや店内の雰囲気を魅力的に伝えることもできます。

●「三笠会館(マーケットレストランAGIOサンシャインアルパ店」様の記事はこちら

三笠会館「マーケットレストランAGIOサンシャインアルパ店」様

交通機関での案内情報配信

交通機関では、CMSを利用してリアルタイムでの運行情報配信を行うことで、利用者の利便性を向上させることができます。

上記のような使用法のほか、駅周辺施設や地域の特産品の広告等を表示することで、地域のプロモーションにつながります*4

●「株式会社アスワ」様の記事はこちら

株式会社アスワ様:南房総道の駅サイネージ8箇所

オフィス・工場内での情報共有システム

企業内では、全社会議の案内、安全情報の周知、業績目標の進捗表示、社員食堂のメニュー案内などを一元管理し、デジタルサイネージによって共有することで、CMSを活用した社内の情報共有やコミュニケーションの効率化が期待できます*5

工場等では、安全意識向上のためのヒヤリハット情報や目標達成率の表示により、従業員のモチベーション向上と安全管理の両立も期待できます。

 

デジタルサイネージCMSの選び方

導入目的の明確化

まず、どのような目的でCMSを導入するのかを明確化し、その上で目的を達成できる機能を備えたものを選びましょう。小売業界では在庫連動配信機能やセール・プロモーション管理機能、教育機関では緊急放送機能や多言語対応機能、医療機関では患者プライバシー保護機能など、目的によって必要な機能はそれぞれであるため、CMSも適切なものを選ぶことが大切です。

動作環境の対応確認

CMSによって、対応しているOSやブラウザは異なります*3。また、デジタルサイネージ本体との互換性も事前に確認しておく必要があります。

ユーザビリティとサポート体制

CMSの操作性とサポート体制は、日常運用に直結する重要な要素です。直感的操作性で専門知識不要での操作が可能か、モバイル対応でスマートフォン・タブレットからの操作ができるか、導入時サポートとして初期設定や操作研修が提供されるか、運用サポートとして24時間365日対応があるかなどを確認しましょう*4

セキュリティとコンプライアンス

企業が扱う情報の機密性に応じて、適切なセキュリティレベルを確保する必要があります*7。データ暗号化、アクセス制御、監査ログの記録・保存機能、災害対策のバックアップ・復旧体制などを評価することが重要です。

総合的なコストパフォーマンス

初期導入費用だけでなく、長期的な運用コストを含めた総所有コスト(TCO)での評価も重要です。初期導入費用(ライセンス・設定・研修費用)、月額運用費用(利用料・保守費用)、拡張時費用(画面・機能追加時のコスト)、ROI(導入効果に対する投資回収期間)を総合的に検討しましょう*10

 

まとめ:戦略的デジタルサイネージ運用の実現

デジタルサイネージCMSは、単なるコンテンツ管理ツールを超えて、企業の情報発信戦略を支える重要な要素です。適切なCMSの選択と活用により、コスト削減、業務効率化、顧客エンゲージメント向上など、多面的なビジネス効果を実現できます。

近年では、AIとの連携なども対応し始めており、デジタルサイネージの機能をさらに便利に拡張できるようになりました*6。AI技術を利用することで、視聴者のデータを分析し、最適なコンテンツを自動的に表示することが可能になり、より効果的な情報発信が実現します。

効果的な利用によって、デジタルサイネージCMSは強力なビジネスツールとして組織の成長を支援してくれるはずです。

●disitが提供するデジタルサイネージソリューションはこちら

PORABOとは

 

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参考文献・引用文献

*1 VISATECH「デジタルサイネージのSTBやCMSって何?正しく理解したデジタル運用を」
https://visatech.co.jp/blog/c74

*2 iTSCOM for Business「デジタルサイネージにCMSを導入するメリット!今後必要になる?」
https://www.itscom.co.jp/forbiz/column/signage/126/

*3 FIT SIGNAGE「デジタルサイネージに必要なCMSまとめ|機能からメリットまで解説」
https://fit-signage.isb.co.jp/column/detail07/

*4 olemus.co.jp「魅力的なデジタルサイネージCMSの活用術を徹底解説!」
https://olemus.co.jp/column/a0454c03-cbd5-47fb-a408-f1c34885be95

*5 LeadGrid「オンプレミス型CMSとは?クラウド型CMSとの違いや選び方を解説」  https://goleadgrid.com/blog/about-on-premise-cms

*6 LED TOKYO「デジタルサイネージに必要なCMSとは?機能やメリット、選び方などを解説!」
https://led.led-tokyo.co.jp/news/digitalsignagecms/

*7 DELIGHT GLOBAL「CMSとは?デジタルサイネージ運用に役立つシステム」
https://dg-okinawa.com/blog/652

*8 bisco signage「CMSとは?デジタルサイネージ運用に便利な機能とメリットについて」
https://bisco-signage.jp/blog/digital-signage/cms/

*9 LED TOKYO「デジタルサイネージを導入しよう!基礎知識やメリット、ポイント、方法、事例などを解説」
https://led.led-tokyo.co.jp/news/introductiondegitalsignage/

*10 AXLEAD「日本のデジタルサイネージ市場:成長要因と今後の展望」 https://ax-lead.com/infomation/3491/

この記事を書いた人
デジタルサイネージディレクター:t.takita
映像制作のエキスパートでありながら、配信システムの提案からサイネージ機器の選定まで、サイネージディレクターとしても活動している。 サイネージ業界で培った経験をもとに魅せるコンテンツの提案からロケーションに合わせたサイネージの提案までを実績ベースにてゴールに導きます。

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