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By デジタルサイネージディレクター:t.takita Posted

デジタルサイネージ入門!ゼロからわかるデジタルサイネージの特徴と基礎知識

近年、街を歩いているとディスプレイに映し出される鮮やかな映像や広告を目にする機会が増えてきました。駅や商業施設、カフェなど、あらゆる場所で見かけるこうした電子看板。いわゆる「デジタルサイネージ」と呼ばれるものです。

今回の記事は、デジタルサイネージに関する予備知識がない方向けに、特徴や活用シーン、種類や用語などを解説していきます。この記事を読んでデジタルサイネージがどのようなものか、イメージを掴んでいただけたら幸いです。

 

デジタルサイネージとは?

基本的な定義

デジタルサイネージとは、液晶ディスプレイやタブレット端末、LEDビジョンなどの電子表示機器を使って、広告や情報を配信するシステムのことです*1。「Digital」は電子、「Signage」は看板や標識を意味し、その名の通り「デジタル看板」や「電子看板」と呼ばれることもあります*2

従来の紙のポスターや看板とは違い、デジタルサイネージは動画や音声、インタラクティブなコンテンツを配信できるのが大きな特徴です。まさに「動く広告」として、見る人に強いインパクトを与えることができます。

デジタルサイネージの普及背景

デジタルサイネージが本格的に普及し始めたのは2007年頃からで、この年を「デジタルサイネージ元年」と呼ぶ人もいます。その後、2020年の東京オリンピック開催決定をきっかけに、公共施設や商業施設への導入が一気に加速しました*1

現在では、街中のあらゆる場所でデジタルサイネージを見かけるようになり、私たちの生活に欠かせない情報発信ツールとして定着しています。

主な利用目的

デジタルサイネージの利用目的は、大きく4つに分類されます*2

  • 広告・プロモーション:商品やサービスの宣伝
  • インフォメーション:案内や情報提供
  • スペースデザイン:空間演出やブランディング
  • コミュニケーション:双方向のやり取り

これらの目的に応じて、様々なコンテンツが配信されています。

 

従来の広告との違い

デジタルサイネージが従来の看板やポスターと大きく異なる点を、詳しく見ていきましょう。

動きのある表現が可能

最も大きな違いは、動画や音声を使った表現ができることです。従来の紙媒体では静止画での表現に限られていましたが、デジタルサイネージなら動きのあるコンテンツで人々の注意を引きつけることができます。

人は動いているものに自然と目を向ける習性があるとされています*3。電車に乗ったときについついサイネージ広告に目が行ってしまうのも、まさにこの効果によるものですね。

リアルタイムでの情報更新

デジタルサイネージの大きな魅力の一つが、リアルタイムでの情報更新が可能なことです。従来の看板やポスターの場合、内容を変更するには物理的な張り替え作業が必要でしたが、デジタルサイネージなら瞬時にコンテンツを変更できます。

例えば、飲食店では時間帯に合わせてモーニングメニューからランチメニュー、ディナーメニューへと自動で表示を切り替えることもできます。また突発的なタイムセールの告知や緊急情報の配信も、すぐに対応することが可能です。

豊富な情報量

一つのディスプレイで複数の情報を画像を切り替えることで表示できるため、従来の看板では表現しきれなかった豊富な情報を伝えることができます。スライドショーのように複数の写真を連続して流したり、複数の商品を順番に紹介したりすることも可能です。

時間と場所に応じた最適化

デジタルサイネージは、時間帯や設置場所に応じてコンテンツを最適化できます。例えば、平日の朝は通勤中のビジネスマンに向けたニュースや交通情報を、週末は子供連れに向けたイベント情報を表示するといった使い分けが可能です*4

コストと手間の削減

中長期的な視点で見ると、デジタルサイネージは従来の広告媒体よりもコストと手間を大幅に削減できます。印刷代や紙代、手作業での貼り替え作業が不要になるほか、遠隔からの一括管理により人的コストも削減することができます*3

●デジタルサイネージによって期待できるメリットとは?

デジタルサイネージ導入で売上向上を実現!具体的なメリットとその効果とは

 

主な利用シーン

デジタルサイネージは様々な場面で活用されています。主要な例をご紹介しましょう。

屋外広告・交通機関

街頭や駅構内でのLEDビジョンは、デジタルサイネージの代表的な活用例です。人通りの多い場所に設置されることで、多くの人々の目に触れ、高い広告効果を発揮します。

最近では、3D映像技術を活用した立体的な広告も話題を集めています*2。また展示会などにも使用され、株式会社フラックス(DDD WORKOUT)様の展示会では、壁面にサイネージが設置され、展示会に訪れた人々の目を引き付けました。

●「株式会社フラックス(DDD WORKOUT)」様の事例はこちら

「株式会社フラックス(DDD WORKOUT)」様

商業施設・小売店

ショッピングモールや小売店では、販促効果を高めるためにデジタルサイネージが幅広く活用されています。各フロアの入口に設置された大型ディスプレイでは、最新のプロモーション情報やセール情報が配信され、来店者の購買意欲を刺激しています*4

店内では、商品紹介やブランドコンセプトを伝える映像を流すことで、ブランドの認知度向上や顧客体験の向上を図っています*5

●「有限会社時代屋(浅草・鎌倉び〜どろ 小町通り店)」様の事例はこちら

「有限会社時代屋(浅草・鎌倉び〜どろ 小町通り店)」様

飲食店のメニューボード

飲食店では、デジタルメニューボードとしての活用が急速に広がっています。従来の印刷されたメニューと比べて、以下のようなメリットがあります

  • 時間帯に応じた自動的なメニュー切り替え
  • 売り切れ商品の即座な表示変更
  • 季節限定メニューやおすすめ商品の効果的なプロモーション
  • 多言語対応による外国人観光客への対応

●「株式会社タニタ食堂丸の内店」様の事例はこちら

「株式会社タニタ食堂様丸の内店」様

案内・総合案内板

商業施設や公共施設では、タッチパネル式のデジタルサイネージが案内板として活用されています。来訪者は画面をタッチして必要な情報を検索でき、従来の紙の案内板では実現できない双方向のコミュニケーションが可能です。

多言語対応機能により、外国人観光客への案内も効率的に行えるため、インバウンド対策としても重要な役割を果たしています。

●「ホテルグレイスリー新宿」様の事例はこちら

「ホテルグレイスリー新宿」様

社内コミュニケーション

企業のオフィス内では、社内向けの情報発信ツールとしてデジタルサイネージが活用されています。受付での来客案内、会議室の空き状況表示、社内イベントの告知、緊急時の避難経路案内など、様々な用途で利用されています。

●「株式会社 ケアコム」様の事例はこちら

株式会社 ケアコム 様

空間演出・アート

デジタルサイネージは単なる情報提供だけでなく、空間の雰囲気作りにも活用されています。アート性の高い映像コンテンツを流すことで、来訪者にブランドイメージや話題性のアップに貢献しています*2

●「DDD.H.FITNESS|沖縄ライカム フィットネスクラブ」様の事例はこちら

DDD.H.FITNESS|沖縄ライカム フィットネスクラブ様

 

デジタルサイネージの種類と基本用語

デジタルサイネージには、仕組みや機能によっていくつかの種類があります。ここでは主要な分類と、デジタルサイネージについて語られる際によく使われる基本用語を解説します。

配信方式の種類

スタンドアロン型(オフライン型)

スタンドアロン型は、インターネット接続を必要とせずに動作するタイプです。USBメモリやSDカードにコンテンツを保存し、それをディスプレイに挿入して再生します*2

メリット:

  • 導入コストが安い
  • セキュリティリスクが低い
  • インターネット環境が不要
  • 誰でも簡単に操作できる

デメリット:

  • 遠隔からのコンテンツ更新ができない
  • 複数台の一括管理が困難
  • 頻繁な更新作業には不向き

ネットワーク配信型(オンライン型)

ネットワーク配信型は、インターネットを通じてコンテンツを配信するタイプです。配信の設定などもお手持ちのPCを通して設定します*1

メリット:

  • 遠隔からの一括管理が可能
  • リアルタイムでのコンテンツ更新
  • 複数台への同時配信
  • スケジュール管理機能

デメリット:

  • インターネット回線費用が必要
  • セキュリティ対策が必要
  • 初期コストが高い

●より詳しく知りたい方はこちら

【完全保存版】デジタルサイネージ3種類の選び方|10万円台から始める導入ガイド

操作方式の種類

プッシュ型

発信者が一方的にコンテンツを配信し、視聴者は受動的に情報を受け取るタイプです。一般的な広告や案内表示がこれに該当します*1

プル型(インタラクティブ型)

タッチパネルや音声認識により、視聴者が能動的に情報を取得できるタイプです。視聴者が知りたい情報を自分で取捨選択し、必要な情報を引き出すことができます*1

インタラクティブ型の特徴:

  • タッチパネルによる操作
  • 多言語表示切り替え
  • より深いエンゲージメント

基本用語解説

CMS(コンテンツマネジメントシステム)

CMSは、映像配信や配信スケジュールを管理するシステムです。「スケジューラー」と呼ばれることもあります。時間帯や曜日別で事前に配信スケジュールを組むことで、よりタイムリーな情報配信が可能になります。

現在はクラウド型の月額サービスが主流で、インターネットブラウザからログインして操作するため、離れた場所からも操作できるのが特徴です*2

STB(セットトップボックス)

STBは、映像コンテンツを再生するためのプレイヤーです。内部にはAndroidやWindowsが搭載されており、ミニPCとも呼ばれます。

STBにCMSをインストールし、常時起動させることでディスプレイに映像を配信します。通常のPCよりも小さく安価であり、ディスプレイの背面や筐体内に格納することも可能です*2

 

まとめ

デジタルサイネージは、従来の看板や広告媒体を大きく進化させた、現代社会に欠かせない情報発信ツールです。

動きのある表現力、リアルタイムでの情報更新、豊富な情報量、そして時間や場所に応じた最適化など、多くの特徴により高い効果を発揮しており、街頭広告から店舗内の販促、公共施設での案内まで、様々な場面で活用されています。

デジタルサイネージの導入についてより詳しく知りたい方、自分のニーズに最適なデジタルサイネージが何か知りたいという方は、Disitまでお気軽にご相談ください。

 

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参考文献

*1 デジタルクルーズ「デジタルサイネージとは?【種類・仕組み・デメリットについて】」https://signage.digital-cruise.co.jp/column/about/

*2 アビックス株式会社「デジタルサイネージとは?メリットや利用シーンを解説」https://avix.co.jp/digipro-2/tag7/907/

*3 デジタルサイネージをはじめよう「デジタルサイネージのメリット・デメリット」https://start-digital-signage.info/merit/

*4 インパクトフィールド「デジタルサイネージとは?種類やメリット、活用例をわかりやすく解説!」https://field.impact-h.co.jp/knowledge/digitalsignage01

*5 ヒビノグラフィックス株式会社「デジタルサイネージとは?仕組みや種類を解説!」https://hgx.co.jp/column/what-is-digital-signage/

この記事を書いた人
デジタルサイネージディレクター:t.takita
映像制作のエキスパートでありながら、配信システムの提案からサイネージ機器の選定まで、サイネージディレクターとしても活動している。 サイネージ業界で培った経験をもとに魅せるコンテンツの提案からロケーションに合わせたサイネージの提案までを実績ベースにてゴールに導きます。

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