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By デジタルサイネージディレクター:t.takita Posted

LEDビジョンの導入価格ガイド:レンタル・リース・購入、どれが最もコスパが良い?

LEDビジョンを導入検討中の方にとって、最も気になるのが価格です。本記事では、価格相場から費用対効果の高い選び方まで、包括的に解説いたします。

 

LEDビジョンとは?定義と特徴

LEDビジョンとは、数千から数万個のLED素子を格子状に配置し、映像やグラフィック情報をデジタル表示するディスプレイ装置です。
旧来の映像表示機器と比べると、次のような優位性があります:

  • 卓越した輝度性能:炎天下でも視認性を維持する高輝度
  • 自由なサイズ設計:パネル単位での組み合わせが可能
  • 優れた耐久性:通常使用で5〜10年間の長期運用
  • 電力効率性:従来技術に比べ電力消費量削減
  • 遠距離視認性:遠方からも鮮明に内容を把握可能
  • 環境適応性:室内外を問わず多様な環境での設置に対応

●LEDビジョンの基本知識についてもっと知りたい方はこちら

LEDビジョン入門|デジタルサイネージとどう違う?基礎知識から種類・導入メリットまで

 

費用が変わる5つの要素

1. ピッチ(ピクセル間隔)による価格差

ピッチとは隣接するLED素子間の物理的距離を示す指標です。ピッチが密になるほど解像度が向上しますが、LED素子数の増加により価格も上昇します

視聴距離別ピッチ例*⁶

  • P0.9〜2.5mm:至近距離視聴(1〜3m)- 会議室、展示スペース
  • P4〜6mm:中距離視聴(3〜10m)- 店舗内、イベント会場
  • P8〜10mm:遠距離視聴(10m超)- 屋外広告、大規模施設

2. 設置場所(屋内・屋外)による仕様差

屋外設置仕様のLEDビジョンは、耐候性と高輝度性能が求められるため、屋内仕様より高額になります

屋外仕様の特徴

  • 防塵・防水機能
  • 屋内用に比べて高輝度(直射日光下でも視認できる)
  • 紫外線・温度変化耐性素材の採用
  • 高効率放熱システムの搭載  など

屋内仕様の特徴

  • 軽量化された設計
  • 高精細の映像向き
  • 屋外用に比べて低輝度

3. サイズと購入数量

大量購入により単価の低減効果が期待できます。ただし、規定サイズを超過すると建築工作物としての認定が必要となり、追加の申請費用が発生する場合があります

4. 電気代・ランニングコスト

LEDビジョンの運用コストで大きな割合を占めるのが電気代です*⁷

消費電力の増加に影響する要因

  • 画面サイズ(大型ほど増加)
  • 輝度設定(高輝度ほど増加)
  • 稼働時間(24時間運用の場合、営業時間のみの運用よりも増加)
  • 表示コンテンツ(白色系は電力消費大)
  • 環境条件(屋外は高輝度が必要)

導入前に長期的な電力コストを検討することが重要です。

5. 流通コストによる価格差

LEDビジョンの販売価格は業者により大幅に変動します*⁴

価格に影響する販売形態

  • メーカー直接販売:最廉価だが購入条件に制約あり
  • 正規代理店:価格と品揃えのバランスが良い
  • 総合商社:豊富なラインナップだが価格が高い
  • 施工業者経由:包括的なサポートサービスが受けられる

 

レンタル・リース・購入のコスパ比較

ここからはLEDビジョンの価格についてみていきましょう。下記にLEDビジョンの価格相場一覧表をご覧ください。

購入価格相場(A社例

種類・条件 ピッチ(解像度) 価格相場(参考)
屋内用 P0.9mm(超高精細) 約210万円/㎡
P2.5mm(高精細) 約60万円/㎡
P4mm(標準) 約35万円/㎡
P6mm(中距離) 約25万円/㎡
屋外用 P2.5mm(高精細) 約70万円/㎡
P4mm(標準) 約60万円/㎡
P6mm(中距離) 約50万円/㎡
P10mm(遠距離) 約30万円/㎡

1㎡あたり数十万円台からの導入が実現可能です。

レンタル価格相場(B社・C社

区分 サイズ・仕様 価格目安 備考
短期レンタル
(1日~1週間)
パネル単位
(日割り)
5,000〜10,000円/枚・日が目安*⁴
屋外型大型
(200インチ)
約60万円/1泊2日
(B社)
設営・撤去・輸送は別途
屋内型小型
(100インチ)
約20万円/3日間
(C 社)
設置・費用、取付台、往復配送費除く
中長期レンタル
(1ヶ月~)
屋外型100インチ
(P3.9mm)
月額 約20万円〜
(C 社)
屋外型160インチ

(P2.6mm)

月額 約16万円〜
(C 社)
別途費用 設営・撤去費 約20万円前後
(B社)
合計費用に上乗せ発生
配送費(片道) 約5万円前後
(B社)

レンタル利用時は、機器費用に加えて設営・撤去作業費(10万円前後)、配送費用(片道5万円前後)が別途発生するケースが一般的です。

リース価格相場(D社*⁵

契約期間 料率(概算) 月額換算(100万円あたり)
36回(3年) 約3.0% 約3万円台
48回(4年) 約2.3% 約2万円台前半
60回(5年) 約1.9% 約1万円台後半
72回(6年) 約1.6% 約1万円台前半
84回(7年) 約1.4% 約1万円台前半
96回(8年) 約1.3% 約1万円台前半
付帯特典 動産保険付き
(故障時修理・代替対応)

LEDビジョンのリース契約における料率は、契約期間の長短により異なります。リース契約の特典として動産保険が自動付帯され、正常使用範囲での機器故障時には修理・代替が提供されます*⁵

●価格表を参考に、自社の導入費用を見積もりたい方はこちら

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導入価格のイメージ

たとえば、A社の価格事例は以下のようになっています

屋上大型ビジョン(50㎡、P10相当)

  • 機器本体:1,200万円台
  • 足場設営:200万円前後(2000㎡規模想定)
  • 構造体工事:150万円前後
  • 取付施工:350万円前後
  • 電気・制御工事:150万円前後
  • 合計金額:2,100万円前後

屋内低所ビジョン(15㎡、P4相当)

  • 機器本体:450万円前後
  • 構造体工事:40万円前後
  • 取付施工:50万円前後
  • 電気・制御工事:20万円前後
  • 合計金額:560万円前後

このように、本体だけでなく工事費等を含めると、数百万~数千万円になることがあります。

 

レンタル・リース・購入の最適な使い分け

レンタル

LEDビジョンは購入すると高額な初期費用や維持管理コストが発生しますが、レンタルであれば必要なときだけ利用できるため経済的です。コンサートや展示会、スポーツイベント、ポップアップストアなど短期的な利用に最適で、キャンペーンや街頭広告といった限られた期間で強いインパクトを出したい場合にも効果を発揮します。

また、巡回プロモーションには移動型LEDビジョンという選択肢もあり、常設導入前の試験利用や舞台演出など、一時的な活用にも柔軟に対応できます。

レンタルの利点

  • 高額な初期費用をカットできる
  • 専門技術者による完全サポートサービスを受けられる
  • 最新機器を利用できる
  • メンテナンス負担なし

こんなときにおすすめ:1日~1ヶ月の短期利用

  • イベント(展示会、コンサート、式典)
  • 期間限定プロモーション
  • 導入前の効果測定

●レンタルでの導入を検討中の方はこちら

サイネージディスプレイ・モニターのレンタル

リース

リース契約には動産保険が標準付帯し、予期しない故障時の安心感があります。また、会計処理上は賃借取引となるため、減価償却や固定資産税の対象から除外されます*⁵

リースの利点

  • 月次分割での導入が可能
  • 動産保険の自動付帯
  • 固定資産計上の回避
  • 契約満了後に利用を継続するか選択可

こんなときにおすすめ:6ヶ月〜7年の中長期利用

  • 店舗の中長期マーケティング施策
  • 新規事業の初期段階
  • 月次支払いの均等化希望
  • 固定資産計上の回避

●リースでの導入を検討中の方はこちら

サイネージディスプレイ・モニターのリース

購入

長期の使用を検討している場合は、購入がおすすめです。

購入の利点

  • 長期視点でのコスト優位性が高い
  • 完全な所有権の確立
  • 自由度の高いカスタマイズ
  • 利用毎の手配業務が不要

こんなときにおすすめ:7年以上の長期利用

  • 永続的な広告表示
  • 施設に設置するサイネージ
  • 総合コスト優先の場合
  • 独自カスタマイズ要求がある場合

 

中古LEDビジョンの価格と注意点

コスト削減手段として、中古LEDビジョンという選択肢もあります。新品価格の30〜50%程度での入手が可能ですが、検討すべき事項もあります。

中古購入の留意点

  • LED素子の経年劣化による照度低下
  • 保証期間の制約
  • メンテナンス頻度の増加傾向
  • 最新技術仕様への非対応 

中古選定の判断基準*⁸

  • 累積使用時間(LEDの寿命は約50,000時間)
  • LED素子の状態に問題がないもの(ドット抜けがないなど)
  • 色ムラやパネル間の輝度の差がないもの
  • 電源ユニットが熱劣化していないもの
  • 保証期間や条件、設置サポートの比較

自社の利用目的や予算に合わせた最適なプランを相談してみる。

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ランニングコストについて

電気代の試算

LEDビジョンの運用で最も気になるのが電気代です。

試算モデル(18㎡のLEDビジョン、P4屋外仕様)

  • 標準消費電力:500W/㎡前後 × 18㎡ = 9kW程度
  • 年間稼働時間:10時間/日 × 365日 = 3,650時間台
  • 電力単価:27円/kWh前後(事業用電力) 

年間電力費:90万円前後*⁷

自動調光システムの導入やタイマー制御による無駄な点灯の排除、コンテンツ最適化(明色系の使用抑制)などによって電力コストを抑えることも可能です*⁷

その他のランニングコスト

保守・点検費用

  • 年額5万円台〜30万円台(規模に応じて変動)*⁶

コンテンツ制作・管理費用

  • 月額1万円台〜10万円台*⁶

 

LEDビジョンの寿命と投資回収期間

LEDビジョンの使用可能期間は概ね5〜10年程度で、連続稼働換算では50,000〜100,000時間前後の動作寿命を有します。

計画的な保守管理により、以下の効果が見込まれます*⁹

寿命延長による効果

  • 照度均等性の長期維持
  • 突発故障リスクの軽減
  • 色彩再現性の保持
  • 運用コスト全体の抑制

 

導入費用を抑える5つの方法

1. 複数業者からの相見積もり

流通経路の差異により、同一製品であっても価格差が生じることがあります。なるべく多くの業者から詳細見積もりを取得し、項目別比較を実施しましょう

2. 用途に応じた最適仕様の選定

導入費用を抑えるためには、視聴距離に合致したピッチの選定が重要です。また、必要最小限の画面サイズ設定を行い、屋内・屋外仕様の的確な判断を心がけることで、過剰スペック回避による費用最適化が実現できます

3. 補助金・助成制度の活用

小規模事業者向け持続化補助金や事業再構築補助金の活用、自治体の産業振興助成金やデジタル化推進補助金などの利用により、初期導入費用の負担を軽減することが可能です

5. 段階的導入の検討

大規模システムの一括導入に代えて、段階的な拡張により費用負担の分散化を図ることができます。

 

よくある質問(Q&A)

Q1: LEDビジョンの最低導入価格は?

 A: 室内用小規模サイズ(3〜5㎡程度)で機器本体約70万円台が目安です。ただし、施工費や周辺機器(制御装置5万円台〜50万円台、設置工事5万円台〜)を含めたトータルでは、100万円台が目安です。

Q2: レンタルと購入の損益分岐点は? 

A: 通常2〜3年程度の継続利用が分岐点となります。短期利用(1年未満)はレンタル、中期利用(約1〜7年程度)はリース、長期利用(約7年超)は購入が最も経済合理性が高くなります。

Q3: LEDビジョンの実際の使用期間は?

 A: 適切な使用環境と保守管理の下で5〜10年程度です。LED素子単体では約50,000時間前後の動作寿命がありますが、周辺機器や環境要因により実使用期間は変動します。定期的な保守により寿命延長が可能です。

Q4: 電力費以外の維持コストは? 

A: 定期保守費用(年5万円台〜30万円台)、コンテンツ制作・更新費用(月1万円台〜10万円台)、)、、保険料(リース以外)、故障時修理費用などが主要な維持費項目です*⁶

 

まとめ:最適なLEDビジョン選択のポイント

LEDビジョンの価格は、ピッチ・サイズ・設置環境・業者選定により大幅に変動します。重要なのは、利用目的と予算制約に応じた最適解を見出すことです。

導入検討時には、単純な初期費用のみならず、電力費、保守費用、更新費用等を含む運用コストが必要になります。レンタルやリースなどの方法も活用しながら、みなさまが効果的なLEDビジョン運用を実現できることを期待しています。

Disitでは、お客様の目的やご要望に合わせて最適なプランをご提案しています。導入をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

専門家によるサポートを活用しませんか?

私たちはデジタルサイネージの導入から運用体制構築まで、トータルでサポートしています。
「効果的な運用を始めたい」「現在の運用に課題を感じている」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。


参考文献

 

株式会社プロテック「【2024年版】LEDビジョンの費用相場は?導入総額を用途別に解説」 https://protech-d.com/column/5553/

MINAMIHARA LED「LEDビジョンのレンタル価格を解説!1泊2日でいくら掛かる?」 https://led.minamihara.co.jp/led-vision/rental-costs-explained-overnight-pricing/

イツキサイネージ「イベント・展示会で目立つ!LEDビジョンをレンタルするメリット」 https://itsukisignage.com/news/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E5%B1%95%E7%A4%BA%E4%BC%9A%E3%81%A7%E7%9B%AE%E7%AB%8B%E3%81%A4%EF%BC%81led%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%92%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF/

*⁴ グローバルステージ「大型LEDビジョン・ディスプレイの価格|レンタルと購入・プロジェクターや液晶ビジョンとの徹底比較!」 https://gloval-stage.com/%E5%A4%A7%E5%9E%8Bled%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%81%A8%E8%B3%BC%E5%85%A5%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF/

*⁵ ヤマトサイネージ「デジタルサイネージや大型ビジョンをリースで購入する方法」 https://yamato-signage.com/how-about-lease/

*⁶ CRYSTAL VISION「LEDビジョン導入にかかる費用とは?初期費用・ランニングコストを徹底解説」 https://rossyjapan.co.jp/led%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%B0%8E%E5%85%A5%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8B%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E5%88%9D%E6%9C%9F%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%83%BB%E3%83%A9/

*⁷ CRYSTAL VISION「【LEDビジョンの電気代は高い?年間コストを試算してみた】」 https://rossyjapan.co.jp/%E3%80%90led%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%9B%BB%E6%B0%97%E4%BB%A3%E3%81%AF%E9%AB%98%E3%81%84%EF%BC%9F%E5%B9%B4%E9%96%93%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%92%E8%A9%A6%E7%AE%97/

*⁸ イツキサイネージ「【中古販売】LEDデジタルサイネージ:お得に導入する方法」https://itsukisignage.com/news/%E3%80%902025%E5%B9%B4%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%80%91led%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B8%E4%B8%AD%E5%8F%A4%E8%B2%A9%E5%A3%B2%EF%BC%9A%E3%81%8A%E5%BE%97/

*⁹ ヤマトサイネージ「デジタルサイネージや大型ビジョンをリースで購入する方法」 https://yamato-signage.com/how-about-lease/

 

この記事を書いた人
デジタルサイネージディレクター:t.takita
映像制作のエキスパートでありながら、配信システムの提案からサイネージ機器の選定まで、サイネージディレクターとしても活動している。 サイネージ業界で培った経験をもとに魅せるコンテンツの提案からロケーションに合わせたサイネージの提案までを実績ベースにてゴールに導きます。

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