By デジタルサイネージディレクター:t.takita Posted
LEDビジョン入門|デジタルサイネージとどう違う?基礎知識から種類・導入メリットまで
この記事では、「LEDビジョンとは何?」「デジタルサイネージとどう違うの?」「導入にはどのくらいの費用がかかるの?」と疑問に思っている方に向けて、基礎知識から実際の導入方法まで、分かりやすく解説していきます!
目次
LEDビジョンとは?
LEDビジョンとは、LED(発光ダイオード)を利用した映像表示ディスプレイのことです。赤・緑・青の3色LED素子を配列して作られたパネルを複数組み合わせることで、一つの画面を形成しています*¹。
従来の液晶画面と比べて明るく表示でき、雨や風にも強い耐久性を備えているため、特に屋外環境での大画面表示に優れた性能を発揮します。電子看板やデジタル広告媒体として幅広く採用されており、商業施設の店頭表示、屋外広告、イベント演出、案内板など様々な用途で活用されています*¹。
LEDビジョンのメリットは?
圧倒的な明るさと視認性
LEDビジョンの明るさは、輝度(cd/㎡)で示され、この数字が大きいほど明るくなります。家庭用テレビは500cd/㎡程度に対し、屋外LEDビジョンでは5000cd/㎡以上と、液晶のおよそ10倍以上もの明るさを示しています*²。この明度の違いにより、窓際など外光が差し込む環境や真昼の太陽光下でも、LEDビジョンは鮮明な映像を表示できるのです。
自由なサイズ設定
LEDビジョンは、パネルをパズルのように組み合わせることで、大きな一枚板のようにできます。また枠(ベゼル)がなく、複数枚繋げてもつなぎ目が見えないため、設置環境に合わせた自由なサイズ設定が可能です*³。
優れた環境適応性
LEDビジョンは防水・防塵機能を備えた製品が多く、屋外用のものはIP55レベル以上の環境保護機能により、雨や埃からしっかりと保護されます*³。したがって、雨が直接当たる場所でも設置可能です。また自己発光の性質があるため、繁華街のような明るい環境でも、他の照明に負けることなく鮮明な映像を表示し続けます*¹。
長寿命とコストパフォーマンス
LEDビジョンは耐久年数が長く、また消費電力も少ないため、長期的な運用に優れています。また、修理の際も部分的な部品交換で済む場合が多いです*⁴。
LEDビジョンとデジタルサイネージとの違いは?
LEDビジョンとデジタルサイネージには、技術的・用途的に重要な違いがあります。
発光方式の違い
- LEDビジョン: LED素子自体が直接発光する自発光方式で明るさ、視認性に優れる
- デジタルサイネージ(液晶): バックライトを使用し、液晶で光を調整
明るさ(輝度)の違い
- LEDビジョン: 2,000~8,000cd/㎡
- デジタルサイネージ(液晶): 400~1,200cd/㎡
視認距離の違い
- LEDビジョン: 約10m以上の遠距離からでも鮮明に視認可能*⁴
- デジタルサイネージ(液晶): 約1.5~3mの近距離での使用に適している*⁴
黒色表現とコントラスト
- LEDビジョン: LED自体を消灯しピクセル単位での完全な黒色表現が可能で、高いコントラスト比を実現
- デジタルサイネージ(液晶): バックライトを液晶で遮断するため完全な黒を表現できない*⁴
コスト
- LEDビジョン: 導入コストは高いが、運用コストは低い
- デジタルサイネージ(液晶): 導入コストは低めだが、消費電力や修理費は比較的高額で、運用コストは高くなることが多い
LEDビジョンの種類と特徴
設置環境ごとのLEDビジョンの輝度目安と活用例は以下の通りです*¹。
環境 | 輝度 | 活用例 |
---|---|---|
屋内用 | 約1,000~1500cd/㎡ |
|
半屋外用 | 約2,000~4,000cd/㎡ |
|
屋外用 | 約5,000~7,500cd/㎡以上 |
|
それぞれの環境に適した製品を検討される方は、disitのLEDビジョンサービスページをご覧ください。
屋内用LEDビジョンの特徴
LEDビジョン屋内用は、室内環境での高品質な映像表示に特化した設計となっています*⁵。
- 小さな文字や詳細な画像も精密に表示
- 様々な形状や環境に柔軟に対応
- 空間デザイン効果により、雰囲気作りや演出効果を実現
活用例:
- 商業施設エントランス: ブランドイメージの訴求や来店客への歓迎メッセージ表示
- 会議室: 高精細なプレゼンテーション映像やビデオ会議での活用
- 企業ロビー: 来訪者への企業情報提供やコーポレートブランディング
- 医療機関: 患者案内や健康情報の配信、多言語対応案内
屋外用LEDビジョンの特徴
LEDビジョンの屋外用は、過酷な自然環境での使用に対応した設計となっています*⁵。
- 優れた明るさ性能で、直射日光下でも視認性が高い
- IP65レベル以上の防水・防塵性能を装備
- 気温変化や太陽光による劣化に対する耐性
- 遠距離からでも鮮明な視認が可能
活用例:
- ビル外壁広告: 駅前や繁華街での大型広告表示によるブランド訴求
- 屋外イベント: コンサートやフェスティバルでのステージ背景や観客向け情報表示
- 交通案内: 道路や高速道路での交通情報や可変式道路標識として活用
大型LEDビジョンの特徴
大型LEDビジョンは、広範囲への情報発信や強いインパクトを実現するために設計されています*³。
- 複数のパネルを組み合わせて思い通りのサイズを実現
- 継ぎ目のない一体感のある映像表示
- 遠くからでも目を引く大画面表示
- イベントや広告での強力なインパクト
活用例:
- 大型商業施設: ショッピングモールの中央吹き抜けでの広告や案内表示
- 空港・駅: ターミナル内での大型案内表示や広告媒体として活用
- スタジアム: スポーツ観戦での大型スコアボードやリプレイ映像表示
- ライブステージ: ステージ演出や空間演出
実際の大型LEDビジョン導入事例や設置イメージは、こちらのサービスページで確認できます。
LEDビジョンの選び方は?
LEDビジョンの選択で最も重要なのは、設置環境と視認距離に適したピクセルピッチの選定です。
ピクセルピッチとは?
ピクセルピッチとは、LEDビジョンにおけるLED同士の間隔を示す指標です*³。ピッチが小さいほどLEDビジョン解像度は高く、より高精度の画像を表示できますが、その分価格も高くなります*¹。
ピクセルピッチは、以下のような計算式で計算できます*³:
視認距離(m) ÷ 1.16 = 推奨ピクセルピッチ(mm)
※視認距離=設置場所から視聴者までの距離
設置環境による選び方
- 屋外設置: 高輝度、防水・防塵性能を重視
- 屋内設置: 適度な輝度、高精細表示対応を重視
LEDビジョンの価格と導入方法
価格決定要因
LEDビジョンの価格は、DOTピッチ(使われているLEDの数)とサイズに大きく影響されます。また、導入には本体価格に加えて、制御装置や再生装置といった周辺機器、取り付け工事費、運送費なども必要です*¹。
導入方法
- レンタル: 1日から利用可能で、短期イベントに最適*³
- リース: 月々一定額で長期利用、保険や税金はリース会社負担*¹
- 一括購入:長期的にはコストメリットあり、中古では初期費用が抑制できるが保証期間や寿命に注意が必要
LEDビジョンの寿命
LED素子は光を発する半導体部品であり、従来の光源に比べて寿命が長く、発光による部品劣化も少ないため、LEDビジョンは通常10年以上の寿命が期待できます*³。
一般的なLEDビジョン寿命の目安*¹:
約5年(50,000時間)〜10年(100,000時間)
定期的なメンテナンスを行うことによって、より長期的に使用することが可能です。
導入時に注意すべき点は?
LEDビジョンの導入を成功させるために、以下の失敗例を避けることが重要です:
よくある導入失敗例
視認距離とピクセルピッチのミスマッチ
近すぎる距離での粗いピクセル選択や、遠い距離での高精細すぎる仕様選択により、コストパフォーマンスが悪化するケース
法規制への対応不足
屋外広告物条例の確認不足や建築物確認申請の手続き漏れにより、設置許可が下りないケース*¹
設置環境の検討不足
直射日光や反射の影響、電源容量の不足、周辺環境への配慮不足による運用トラブル
法的要件の確認
屋外広告物条例
各自治体が制定している広告物に関する条例に従って設置検討を進める必要があります。設置方法や設置エリアの用途区分によって、設置可能な条件が規定されています*⁶。
景観条例
設置予定地域によっては都市景観保護に関する条例が制定されている場合があり、景観条例への適合が前提条件となることが多いです*⁷。
工作物確認申請
高さ4メートルを超えるLEDビジョンは建築物としての確認申請が必要となり、申請時には有資格者による構造計算書の提出が求められます*⁸。
LEDビジョン導入を成功させるポイントは?
LEDビジョン導入を成功させるための重要なポイントは以下の通りです:
事前調査の徹底
現地での視認距離測定
実際の設置場所で視聴者との距離を正確に測定し、適切なピクセルピッチを選定することが重要です。
周辺環境の詳細調査
日照条件、反射光の影響、周辺建物との関係、電源容量などを事前に詳しく調査します。
法的要件の事前確認
設置エリアの条例や規制を事前に確認し、必要な申請手続きを把握します。
専門業者との連携
豊富な施工実績の確認
これまでの設置実績や類似案件の経験を確認し、信頼できる業者を選定します*¹。
アフターサポート体制
故障時の対応体制、メンテナンス体制、保証期間と内容を確認します*¹。
長期運用を見据えた計画
メンテナンス計画の策定
定期的な点検スケジュール、予備パーツの確保、故障時の対応計画を事前に策定します。
将来の拡張性の検討
システムの拡張や更新に対応できる設計を検討し、将来的な投資を最適化します。
運用コストの試算
電気代、メンテナンス費、コンテンツ制作費などの長期的な運用コストを事前に試算します。
まとめ
LEDビジョンは、高い輝度と優れた視認性、自由なサイズ設定、長寿命などの特徴を持つ革新的な映像表示システムです。屋内外を問わず様々な用途で活用でき、従来の看板では実現できない動的で魅力的な映像表現が可能です。
導入を成功させるためには、設置環境に適したピクセルピッチの選択や法的要件の確認など、様々な視点から検討を進める必要があります。導入を検討される際は、まず現地での視認距離測定と周辺環境の調査を行い、その上で信頼できる専門業者に相談するのがおすすめです。
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参考文献・引用文献
*¹ アビックス株式会社「LEDビジョンとは?設置のメリットや注意点を徹底解説」https://avix.co.jp/digipro-2/tag7/1757/
*² Is LED better than LCD? The difference between display types https://insights.samsung.com/2025/06/02/is-led-better-than-lcd-the-difference-between-display-types-2/?utm_source=chatgpt.com
*³ カードローナ「LEDビジョンとは?メリットや選び方からおすすめ商品を紹介」https://www.cardrona.co.jp/column/ledvision
*⁴ MINAMIHARA LED「LEDビジョンとデジタルサイネージの違いを徹底比較!技術、用途、導入のコツとは?」https://led.minamihara.co.jp/led-vision/led-vs-digital-signage/
*⁵ ヤマトサイネージ「屋内用LEDビジョン」https://yamato-signage.com/digital-signage/led-vision/indoor-led/
*⁶ 東京都「東京都屋外広告物条例施行規則」https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00001184.html
*⁷e-Gov法令検索. 「屋外広告物法」https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000189
*⁸ e-Gov法令検索「建築基準法」https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201

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