By デジタルサイネージディレクター:t.takita Posted
デジタルサイネージ データ形式完全ガイド|導入前に知っておきたい基本知識
デジタルサイネージの導入を検討しているものの、どのようなデータ形式に対応しているのか分からないという方は多いのではないでしょうか。せっかく導入したのに「コンテンツが表示されない」「なぜ映らないんだろう」と何時間も悩むことは避けたいものです。
本記事では、デジタルサイネージディレクターとして数多くの案件に携わってきた経験をもとに、デジタルサイネージで使用される主要なデータ形式と選び方のポイントを詳しく解説します。
目次
デジタルサイネージのデータ形式とは
デジタルサイネージで表示するコンテンツは、ディスプレイやプレーヤー機器が認識できる特定のデータ形式に変換する必要があります。データ形式が機器に対応していなければ、コンテンツは表示されません。
データ形式は大きく分けて以下の2つのカテゴリに分類されます
- 静止画データ形式(画像ファイル)
- 動画データ形式(映像ファイル)
それぞれ特徴や用途が異なるため、目的に応じて適切な形式を選択することが重要です。
静止画データ形式の種類と特徴
JPEG(.jpg / .jpeg)
最も汎用性の高い静止画データ形式です。デジタルカメラで撮影した画像の多くもJPEG形式で保存されています。
特徴
- 多くのデバイスで標準対応
- ファイルサイズが小さく転送時間が短い
- 国際的に標準規格化されている
- 圧縮により一部画質が劣化する場合がある
適用場面
- 写真を多用したコンテンツ
- ファイルサイズを抑えたい場合
- 汎用性を重視する場合
PNG(.png)
透明度を扱える高品質な静止画データ形式です。ロゴや図表などのグラフィック要素に適しています。
特徴
- 1,600万色を処理可能
- 透明度(アルファチャンネル)に対応
- 可逆圧縮のため画質劣化がない
- JPEGと比べてファイルサイズが大きい
適用場面
- ロゴや透明背景が必要なグラフィック
- 高画質を重視するコンテンツ
- 細かい文字や線画を含む画像
GIF(.gif)
アニメーション機能を持つ静止画データ形式です。簡単な動きを表現できます。
特徴
- アニメーション表示が可能
- 256色まで対応
- ファイルサイズが比較的小さい
- 色数制限により表現力に限界
適用場面
- 簡単なアニメーション効果
- アイコンやボタンの動作表現
- 軽量なコンテンツ
動画データ形式の種類と特徴
MP4(.mp4)
現在最も多くの機種で対応している動画データ形式です。デジタルサイネージでは最も安全な選択肢といえます。
特徴
- 高い圧縮率でファイルサイズを抑制
- 高画質を維持
- パソコン、スマートフォン、サイネージ機器で幅広く対応
- 字幕データの格納も可能
技術仕様例
- 解像度:1920×1080px(フルHD)
- フレームレート:30fps
- ビットレート:10Mbps程度
WMV(.wmv)
Microsoft社開発の動画データ形式です。Windows環境との親和性が高く、多くのデジタルサイネージ広告で採用されています。
特徴
- Windows標準の動画形式
- 高い圧縮率と高画質を両立
- WMV9が最新版として普及
- 一部の機器では対応していない場合あり
MPEG-2(.mpg / .mpeg)
放送業界標準の動画データ形式です。テレビ放送でも使用される信頼性の高い形式です。
特徴
- 放送品質の高画質
- 業界標準として広く採用
- ファイルサイズが比較的大きい
- プロフェッショナルユースに適している
AVI(.avi)
Microsoft社開発の動画コンテナ形式です。様々なコーデックを格納できる柔軟性が特徴です。
特徴
- 多様なコーデックに対応
- Windows環境での安定性
- ファイルサイズが大きくなりがち
- 機器によっては対応していない場合あり
データ形式選択時の重要ポイント
メーカー・機器による対応形式の確認
最も重要なのは、導入予定の機器が対応しているデータ形式を事前に確認することです。
同じMP4形式でも、コーデックや仕様の違いにより再生できない場合があります。
確認すべき項目:
- 対応ファイル形式
- 最大解像度
- 最大ビットレート
- 対応フレームレート
- 対応コーデック
解像度とアスペクト比の適合
コンテンツの解像度は、ディスプレイの仕様に合わせる必要があります。
主要なアスペクト比
- 16:9(ワイド):現在の主流
- 4:3(スタンダード):従来型
代表的な解像度
- フルHD:1920×1080px
- 4K:3840×2160px
- 縦型設置:1080×1920px
ファイルサイズとの バランス
高画質を求めるとファイルサイズが大きくなり、再生に支障をきたす場合があります。画質と安定性のバランスを考慮した選択が重要です。
用途別推奨データ形式
汎用性重視の場合
- 静止画:JPEG(.jpg)
- 動画:MP4(.mp4)
この組み合わせが最も多くの機器で対応しており、初心者にも安心です。
高画質重視の場合
- 静止画:PNG(.png)
- 動画:MPEG-2(.mpg)
画質を最優先にする場合の選択肢です。
透明効果が必要な場合
- 静止画:PNG(.png)
- 動画:MOV(.mov)※一部機器
ロゴやオーバーレイ表示に適しています。
コンテンツ制作時の注意点
ファイル名の規則性
複数のコンテンツをループ再生する場合は、再生順序を明確にするため連番でファイル名を設定することを推奨します。
例:
- 001.mp4
- 002.jpg
- 003.mp4
USBメモリの準備
スタンドアロン型サイネージでUSB再生を行う場合:
- 必ずフォーマット済みのUSBメモリを使用
- コンテンツ以外のファイルは保存しない
- USB容量は余裕を持って選択
テスト再生の実施
本番運用前に必ずテスト再生を実施し、以下を確認してください:
- 正常に再生されるか
- 画質に問題はないか
- 音声が正常に出力されるか
- ループ再生が正常に動作するか
よくあるトラブルと対処法
コンテンツが表示されない場合
原因と対処法
- データ形式不対応 → 対応形式を確認し、変換ソフトで形式変更
- ファイルサイズ過大 → 圧縮設定を調整してファイルサイズを削減
- コーデック不対応 → 標準的なコーデックで再エンコード
●デジタルサイネージが故障した時の対処法の記事はこちら
画質が劣化する場合
改善方法
- ビットレートを上げる
- より高品質なデータ形式を選択
- 元素材の解像度を確認
最新トレンドと今後の展望
デジタルサイネージ業界では、4K・8K対応やHDR(ハイダイナミックレンジ)への対応が進んでいます。将来性を考慮し、高解像度対応のデータ形式を選択することも重要な検討ポイントです。
また、Web連動型サイネージの普及により、HTML5やWebコンテンツとの親和性も重視されるようになっています。
まとめ
デジタルサイネージのデータ形式選択は、導入機器の仕様確認から始まります。汎用性を重視するならJPEGとMP4の組み合わせが安全で、高画質が必要ならPNGとMPEG-2を検討してください。
重要なのは、事前のテスト再生と仕様確認です。データ形式に関する疑問や不安がある場合は、サイネージディレクターなどの専門家に相談することをお勧めします。
適切なデータ形式を選択することで、デジタルサイネージの効果を最大限に発揮し、魅力的なコンテンツ配信が実現できるでしょう。
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参考文献
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- デジタルサイネージの静止画・動画のデータ形式を解説!広告サービスで求められる仕様もご紹介 – LED TOKYO株式会社 https://led.led-tokyo.co.jp/news/dataform_digitalsignage/
- デジタルサイネージのデータ形式を動画と静止画に分けて解説! – LEDビジョン大阪 https://led-osaka.jp/blog/363/
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